「絵巻物」を読む ~扇面古写経・伴大納言絵詩~
- 内容:
- 「絵巻物」から読み取れる、様々な現象のお話です。
今回は「扇面古写経」と「伴大納言絵詩」を解説する。
中世には、おもに寺社の縁起を説く絵巻物がたくさん描かれています。
『信貴山縁起』『北野天神縁起』『扇面古写経』『一遍聖絵』『餓鬼草子』などなど。
それらは、しばしばその美術史的な評価がなされてきました。
しかし、そこに描かれた庶民の暮らしに注目して生活史的な解析はほとんどなされておりません。
たとえば、「食事」や「おじぎ」や「信仰」など。それらには、日本文化の祖型といって
よいものも少なくないでしょう。「絵は文ほどにものをいう」のです。
さて、そこから何が読み解けるでしょうか??
【扇面古写経】
これは大阪市の名刹四天王寺に伝来した装飾経の遺品です。
平安時代に流行したもので扇形に切った料紙にした下絵を描き、その上に法華経や無量義教などを写してあり、下絵の材料は貴族や庶民の暮らしです。
ことに庶民の暮らしは当時の様子をしのぶのに何よりの資料とされています。
【伴大納言絵詩】
貞観8年(866)閏3月10日に起きた、応天門の炎上をめぐる大納言・伴善男の陰謀、
その露見と失脚の物語を、生き生きと描いた絵巻です。
群像の表現に存分に発揮された精妙な描写力、色と形の見事な調和と対比、
緩急を利かせた巧みなストーリー展開は、多くの傑作に恵まれたこの時代の絵巻のなかでも、ひときわ魅力的です。
この中から私たちが読み取れるものはなにか、じっくりとお伺いいたしましょう。
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- 日時:
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